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新たな選択 ―NPO活動への展開―
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デジタル化・多チャンネル化するテレビにとって、視聴者の存在が改めて重要な関心事となりつつある。視聴者とは、果たして誰のことか。この先、それぞれのテレビ局は、どのような人びととどんな関係を取り結ぶことで独自性を追求し、生き残りを図ることができるのか。性別、年齢、職業、人種・民主的背景、ライフスタイルと、さまざまに多様な人びとが、顔のない「マス」(多数の人)としての「視聴者」に埋没させられていた時代は、いまや、過去のものとなりつつある。
情報化・デジタル化の波は教育の領域にも押し寄せている。コンピュータ化し、環境化するメディアの時代を生きる人間にとって、単なるスキルやハウツーではなく、真に必要な能力とはなにか。また、その育成をどうしていくか。それは、学校教育のみならず、高齢化する社会における生涯教育でも、大きな課題である。 メディア社会におけるこのような課題を考えると、22周年を迎えたFCTが、いま、何をなすべきかは自ずから明らかである。私たちはこれまで“メディアを考える市民のひろば”を創る活動を続けるなかで多くの議論を積み重ねてきたが、この私たちの手で蓄積してきた理論と実践が社会的に必要とされる時代が来たのである。たとえば、青少年と放送に関する専門家会合による「取りまとめ」を思い起こしてみよう。そこでは、基本理念への言及を回避したまま、郵政省、NHK、民放連がそれぞれメディア・リテラシーに取り組んでいく事業計画を示している。FCTに集う私たちは、本誌で特集しているように、メディア・リテラシーの取り組みではクリティカル(批判的)な思考が不可欠であること、したがって、この基本理念の空洞化がどれほど重大な問題であるかを語ることができる。 FCTは本年7月、特定非営利活動法人(NPO)への申請を行い、10月18日認証を得た。それは、すべての人間の尊厳と基本的な権利を損なうことのない、真に豊かなメディア環境の創造に、私たちがより積極的にかかわっていこうとする新たな選択を意味している。 −『fctGAZETTE』No.69(1999年11月)掲載− |
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