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子どものメディア環境を実証的に語るデータを創る
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国連の「子どもの権利条約」が1989年に採択されてから10年以上が経つ。この条約では子どもの権利を確立するために、子どもの社会的・政治的・経済的・文化的環境をより良いものにしていく必要性が確認されている。特に、その第17条では、子どもには可能な限り多様な情報にアクセスする権利があること、その権利を保障するためには、マスメディアが子どもの多様性を尊重し、子どもの社会的、精神的発達を促進するような情報提供をしていくことの重要性が指摘されている。
1977年に「子どものテレビの会」として発足したFCTは、発足当初から今日まで、「子どものテレビの公共性」、「子どもが見ている番組とCMにおける価値観」、「テレビと子どもの人権」などをテーマに分析調査を実施し、その分析データを用いたメディア・リテラシー・ワークショップやフォーラムを数多く開催してきた。一連の分析調査の結果は報告書として刊行してきたが、それも1980年の最初の報告書から10数冊を数える。またFCTでは、世界各地にあって私たちと同じように子ども・若い人たちをめぐるメディア問題に取り組んでいる研究者、市民、その組織(NPO)と交流を深め、国際的なネットワークを形成してきた。さらに、関心を共にするそうした人たちをアメリカ(1987)、カナダ(1992、1997)、フランス・イギリス・スウェーデン(2000)、そして今回のイタリア(2001)と、さまざまな国から日本に招き、国際交流フォーラムを数多く開催して、メディアを多面的に捉える視点を獲得してきた。 こうしたFCT活動の一環として、私たちはいま、「子どものメディア環境」への関心が国内外で一段と高まりつつあるなか、再度、テレビの分析調査を始めている。今回の調査では、法案の提出など極めて政治的な動きがみられるなか、私たちがそうした思惑に左右されずに子どものメディア環境について語るために必要な実証的データを創ることをめざしている。それは、テレビを「子どもの権利条約」との関連で考えていくことでもある。調査時間帯としては午後5時から午後9時を設定しているので、民間放送連盟(民放連)による新たな施策「17時~21時に放送する番組については、児童および青少年、とりわけ児童の視聴に十分配慮する」を検証することにもつながるだろう。手にする分析結果については、随時、本誌でも発表し、読者の方々と対話を深めていきたいと考えている。 −『fctGAZETTE』No.74(2001年7月)掲載− |
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