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「情報社会」から「コミュニケートする社会へ」
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今号の特集は、今年12月と2年後の2005年に開かれる「世界情報社会サミット」(WSIS)である。この世界会議のこと自体、一般にはあまり知られているとは思えないが、その準備会合である地域会議が1月に日本で開催されたことを知っている人は、もっと少ないだろう。そして、登録しさえすればこの会合にNGO、研究者なども参加できたことを知る人はさらに少ないのではないか。FCTからは4名が参加したが、その参加報告を今号に掲載している。
よく考えてみると、「世界情報社会サミット」という名称はいかにも先進諸国を中心とした言葉である。世界のインターネット人口は現在5億人以上に達しているが、このことは裏を返せば、世界の人びとの90%以上の人が全く使っていないことを語っているのである。パソコンを使い、ネットに接続することによって情報が円滑に流通し、経済が活性化し、人びとの相互理解、ひいては人類の平和と幸福につながるなどというユートピア的幻想を鵜呑みにすることはできない。もしこのサミットで、未だデジタル情報の恩恵にあずかっていない国々や人びとに対してなんとか援助し、インフラ整備と技術の獲得をさせていこうという話が中心になるなら、サミットは情報産業がICT後進国を植民地化し、一層巨大化していくプロモーションの手助けをしただけということになりかねない。 私たちは情報が行き交いさえすれば、有形無形の情報があちこちに行き渡りさえすれば、即、平和に共存して暮らすことが出来る訳ではない。少しでも相互理解を促進し共生をめざすためには、よりよいコミュニケーションを創り出すことが必要である。そのためには、誰がどんな情報を必要としているのか、情報を誰にいつ、どう流していくのかを知り、さらにその情報を得たり伝えたりするために情報メディアをどのように活用していけるかを考えていくことであろう。そうであるなら、まず、世界で話し合うべきことは、情報の流通をどう活性化させていくかではなく、「情報」と「情報社会」自体をクリティカルに問い直すことである。言葉を換えれば、「私たちは何のために何をどうコミュニケートしていきたいのか」がサミットの最優先課題になるべきではないだろうか。 本特集最後のハーメリンクの論文は、まさにこのような観点に立ち、情報社会を論じている。是非、ご一読頂きたい。 −『fctGAZETTE』No.79(2003年3月)掲載− |
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